W3Cに関する私の考え

以下の記事を読んで考えたこと

W3Cは賞味期限切れ組織?

http://www.atmarkit.co.jp/news/analysis/201001/19/w3c.html
興味深いので上の記事を読ませていただきました。
さて、本題に入りましょう。

標準化団体というよりもむしろ、独自規格化団体として

W3Cは機能しているように昔から見えます。W3Cが標準規格を認定すると、それ以外の規格が、「ウェブにおいては独自規格」であるかのような認識を、一般の人に与えることができます。

ネットスケープ社のJSSS

どういうことかというと、たとえば、「JavaScript-Based Style Sheets(以下、JSSS)」(注1)をあげてみましょう。これはネットスケープ社が独自に開発したスタイルシートです。W3Cに1996年の8月に提案されました(注2)。
その後、同じ年の12月にCSSが勧告されて、JSSSは独自規格という認識が広がりました。

上の例がぴんと来ない人は

コンパクトHTMLの例を見れば、わかりやすいと思います。これは日本の企業が開発して、i-modeの仕様となり、すぐに普及しました。
しかしながら、W3CではNOTE扱いのまま、標準化と認定されることがなく(注3)、その後、W3C標準となったXHTML Basicに駆逐される結果となりました。

重要な点として

CSSXHTML Basicが普及したという事実よりも、それ以外の規格(JSSSやコンパクトHTML)が企業の独自規格になったことに着目すべきです。
その結果、独自規格を擁する企業は、業界のシュアの高さにもかかわらず、大きな開発の転換を迫られることになりました。つまり、W3Cは影響力の大きい企業の勢いをそぐのに、大きな役割を果たしたのです。

W3Cの賞味期限はまだまだ伸びそう

HTML5が普及するか否かにかかわらず、HTML5の対抗規格(と考えられているもの)は、勧告された時点で、「企業の独自規格」と扱われるのは間違いないでしょう。成長を狙う企業にとって利用価値が減らないという点では、まだまだ、W3Cの賞味期限がくるのは先のことではないでしょうか。